「ホテル多度温泉」(三重県桑名市)にある刀剣展示室「刀剣ワールド桑名・多度 別館」には、三重県桑名市で活動した刀工「村正」(むらまさ)の手による刀剣の常設展示が行われています。「刀剣ワールド桑名・多度 別館」では、村正の作品の他にも刀剣を展示しており、さらに「甲冑」(鎧兜)や「火縄銃」(ひなわじゅう)、「陣笠」(じんがさ)などを無料で公開。三重県桑名市にゆかりのある刀工・村正と「刀剣ワールド桑名・多度 別館」にて常設展示している村正の刀剣をご紹介します。
ホテル多度温泉
刀剣ワールド桑名・多度 別館は、ホテル多度温泉の「クラブハウス本館」と「レジデンス新館」の2つの施設に展示室があります。
ホテル多度温泉とはゴルフ場「東建多度カントリークラブ・名古屋」に隣接し、優雅なリゾートステイを堪能しながら刀剣鑑賞もできるホテルです。その他にも温泉やプール、桑名の旬を味わうことができるレストランなども併設。なお、入館は無料となりますが、フロントでの受け付けが必要となります。
【クラブハウス本館】
【レジデンス新館】
ホテル多度温泉のフロアマップ
刀剣ワールド桑名・多度 別館にて常設展示となっている村正の刀剣をご紹介する前に、村正について3つの特徴を解説します。
ペガサス刀剣展示室から見える風景
レジデンス新館3階のペガサス刀剣展示室にて常設展示している村正の刀剣は全部で4振になります。ペガサス刀剣展示室はパーティールームとして利用することも可能な開放感ある豪華な洋室です。
室内には、東建多度カントリークラブ・名古屋のゴルフコースを一望できる大きな窓も。春はゴルフ場の青々とした芝が美しく、冬はしっとりした静かな眺めのなか、刀剣や「鐙」(あぶみ)、「浮世絵」(うきよえ)などを鑑賞することができます。では、桑名市ゆかりの刀工・村正の刀剣についてご紹介しましょう。
常設展示となっている 村正コーナー
「刀 銘 村正 俊次 俊広」(かたな めい むらまさ としつぐ としひろ)は、「村正 俊次 俊広」と3人の銘が切られた合作です。「俊次」(としつぐ)は相模国(現在の神奈川県)で活躍した鍛冶で、「俊広」(としひろ)は、俊次の兄弟であろうと考えられる人物。
村正の生まれは美濃国(現在の岐阜県)とも伝わることから作風は美濃国の鍛刀方法「美濃伝」(みのでん)が多く見られますが、本刀のように相模国の鍛刀方法「相州伝」(そうしゅうでん)を交えた作品もあります。他にも相模国の刀工との合作も多いことなどから技術的交流を行っていたと推測されているのです。
刀 銘 村正 俊次 俊広