刀の基礎知識

名刀が観られる博物館・美術館

文字サイズ

「日本刀」は、武器である面と美術品工芸品としての面を持ちます。国宝指定を受けている工芸品の約40%が刀剣類であり、その数は100点以上。それだけ日本刀が、貴重な美術工芸品として高く評価されていると言えるのではないでしょうか。しかし日本刀は国宝だけが素晴らしいわけではなく、そうでない日本刀にも伝来があり、所蔵者を渡り歩いた分の歴史を持ちます。そんな名刀を観覧することのできる博物館・美術館を見ていきましょう。

  • 刀剣展示 博物館の日本刀
    刀剣が展示されている全国の博物館・美術館をご紹介します。
  • 旅探 博物館・美術館
    旅探は、日本全国にある博物館・美術館の情報が満載です!

徳川ミュージアム

徳川ミュージアム

徳川ミュージアム

徳川ミュージアム」は、茨城県水戸市にある水戸徳川家に伝来した大名道具や古文書類展示している博物館です。設立者は当時の水戸徳川家13代当主「徳川圀順」(とくがわくにゆき)で、1977年(昭和52年)に開館。

所蔵品は、「徳川家康」の遺品である「駿府御分物」(すんぷおわけもの)の品々が中心です。その他には、徳川家康の十一男で初代水戸藩藩主「徳川頼房」(とくがわよりふさ)や2代藩主「徳川光圀」(とくがわみつくに)など歴代藩主らの残した調度品・書画・美術品など30,000点に及びます。

水戸徳川家の名宝は、1923年(大正12年)に起きた「関東大震災」によって焼失した物が多いのですが、そのなかから太刀(たち)「燭台切光忠」(しょくだいきりみつただ)が焼身の状態で奇跡的に発見。現在の燭台切光忠は国宝にも指定されており、不定期ではありますが公開もされています。また、燭台切光忠の写しを作刀することが決まっているなど、名刀の姿を後世に残す準備が進められているのです。

  • 徳川家康のエピソードや、関連のある刀剣・日本刀をご紹介します。

  • 燭台切光忠

    燭台切光忠など、様々な「名刀」と謳われる刀剣を検索できます。

  • 徳川家康のエピソードをはじめ、それに関係する人物や戦い(合戦)をご紹介します。

  • 徳川家の来歴をはじめ、ゆかりの武具などを紹介します。

  • 徳川十五代将軍一覧
    江戸時代を語る上で欠かせない徳川十五代将軍の姿を紐解きます。
  • 旅探では徳川ミュージアムをはじめ、日本全国の観光名所を検索できます!

東京国立博物館

東京国立博物館

東京国立博物館

東京都台東区上野公園にある「東京国立博物館」は通称「トーハク」と呼ばれて親しまれている、日本で最も歴史ある博物館です。日本と東洋の文化財の収集・保管・展示公開・調査研究・普及などを目的としており、所蔵品の数は約117,000点にも及びます。

1872年(明治5年)に開館し、「帝国博物館」や「帝室博物館」など時代の移り変わりと共に、名称や場所を変え今現在も存続しています。

現在の上野に移り1番最初に完成した「本館」には仏像や日本画、浮世絵、日本刀などを展示。日本刀は、「天下五剣」のうち2振の日本刀が収蔵されています。1振は「源頼光」(みなもとのよりみつ)が「酒呑童子」(しゅてんどうじ)を切った日本刀とされる太刀「童子切安綱」(どうじぎりやすつな)。もう1振が、日本刀のなかで最も歴史があり、最も美しいと言われている国宝「三日月宗近」(みかづきむねちか)です。

その他、東京国立博物館の敷地内には、エジプトから東南アジア美術を展示した「東洋館」、考古展示室のある「平成館」や「表慶館」、「法隆寺宝物館」、「黒田記念館」などにもぜひ足を運んでみて下さい。

  • 三日月宗近

    三日月宗近など、様々な「名刀」と謳われる刀剣を検索できます。

  • 「天下五剣 三日月宗近」をはじめ、日本刀に関する基礎知識をご紹介します。

  • 童子切安綱

    童子切安綱など、様々な「名刀」と謳われる刀剣を検索できます。

  • 「天下五剣 童子切安綱」をはじめ、日本刀に関する基礎知識をご紹介します。

  • 刀剣展示をしている博物館・美術館についてご紹介!

  • 「天下五剣」をはじめ、日本刀に関する基礎知識をご紹介します。

  • 旅探では東京国立博物館をはじめ、日本全国の観光名所を検索できます!

永青文庫

永青文庫

永青文庫

永青文庫」(えいせいぶんこ)は、東京都文京区にある熊本藩の歴代藩主であった細川家に伝わる美術品や歴史資料などを収蔵し、展示、研究を行なっている機関です。

この永青文庫を設立した16代当主「細川護立」(ほそかわもりたつ)氏は、「美術の殿様」とも言われ美術蒐集家としても有名な人でした。

所蔵品の絵画や彫刻、武具、日本刀は、その多くが国宝や重要文化財に指定されています。そのなかには、国宝に指定された4振の刀があるのです。ひとつは、細川家の基礎を築いた「細川藤孝」(ほそかわふじたか:[細川幽斎]とも)が秘伝である「古今和歌集」(こきんわかしゅう)の解釈や読み方を貴族の「烏丸光広」(からすまみつひろ)に伝授した返礼に貰い受けた「古今伝授の太刀」(こきんでんじゅのたち)。そして短刀「庖丁正宗」、短刀「日本一則重」、刀「生駒光忠」(いこまみつただ)です。

そして細川家にゆかりのある熊本県では、「熊本県立美術館」(熊本市中央区)に「永青文庫展示室」を設けられ、永青文庫所蔵品の一部を展示。他にも「東京国際空港」(東京都大田区:通称[羽田空港])の第2旅客ターミナル内に設営した「ディスカバリーミュージアム」にて所蔵品の一部が企画を変えながら展示されています。

  • 熊本藩をはじめ、江戸時代の代表的な100藩を治世などのエピソードをまじえて解説します。

  • 細川家の来歴をはじめ、ゆかりの武具などを紹介します。

  • 日本一則重

    日本一則重など、様々な「名刀」と謳われる刀剣を検索できます。

  • 生駒光忠

    生駒光忠など、様々な「名刀」と謳われる刀剣を検索できます。

  • 旅探では永青文庫をはじめ、日本全国の観光名所を検索できます!

  • 旅探では熊本県立美術館をはじめ、日本全国の観光名所を検索できます!

備前長船刀剣博物館

備前長船刀剣博物館

備前長船刀剣博物館

備前長船刀剣博物館」のある岡山県瀬戸内市長船町は、古来より日本刀の生産地として有名でした。この地域で作刀した刀工らを「長船派」(おさふねは:備前長船)と言い、初代「光忠」(みつただ)、2代目で光忠の息子「長光」など鎌倉時代中期から室町時代にかけて隆盛を誇った一派でもあります。

江戸時代、明治時代と刀工達の手で細々と作刀は続けられ、そうした人達の手で1983年(昭和58年)に備前長船刀剣博物館が開館しました。

主な所蔵刀は、太刀「銘 吉房」、太刀「伝利恒」など。そして、併設した「備前長船刀剣工房」にて刀匠が実際に火を使って行なう日本刀作刀の工程を見学することができます。他には、彫金師([つば]など装剣金具作りの職人)、白銀師(しろがねし:鎺[はばき]を作る職人)、塗師(ぬし:漆芸家のこと)など、日本刀作りに欠かすことのできない職人達の作業風景も見学可能です。また、日曜日には研師(とぎし)、鞘師(さやし:拵などを制作する職人)、柄巻師(つかまきし:に糸などを巻く職人)がボランティアで仕事を公開しているのでこちらも見学や、仕事の依頼ができます。

  • 日本刀の歴史に名を残した、数々の名工をご紹介します。

  • 刀工「光忠」の情報と、作刀した刀剣をご紹介します。

  • 刀工「長光」の情報と、作刀した刀剣をご紹介します。

  • 刀剣展示をしている博物館・美術館についてご紹介!

  • 旅探では備前長船刀剣博物館をはじめ、日本全国の観光名所を検索できます!

福岡市博物館

福岡市博物館

福岡市博物館

福岡市早良区にある「福岡市博物館」は、地域の歴史や文化を研究・展示する博物館として1990年(平成2年)に開館。

常設展示は11のコーナーに分かれ、国宝に指定された金印「漢委奴国王」、国指定の重要無形民俗文化財に指定されている「博多祇園山笠」などを取り上げています。

そして常設展示「福岡藩の時代」のコーナーには、福岡藩の礎を築いた「黒田官兵衛」(くろだかんべえ)と黒田家にかかわる名品を展示。国宝である刀「へし切長谷部」(へしきりはせべ)、太刀「日光一文字」(にっこういちもんじ)から、「天下三名槍」(てんがさんそう)のひとつである大身槍「日本号」(にほんごう)などが展示されています。日本号は常設していますが、へし切長谷部と日光一文字の展示については時期により異なりますので、詳細は福岡市博物館公式サイトをご覧下さい。

また本館では、親子で学べる体験学習室「みたいけんラボ」を併設。ここでは、アジアのおもちゃや楽器、衣服などの美術品に直接触ることができます。

  • 「天下三名槍」をはじめ、日本刀に関する基礎知識をご紹介します。

  • 天下三名槍 写し作刀プロジェクト
    名古屋刀剣ワールドにて行なわれている「天下三名槍 写し作刀プロジェクト」をご紹介します。
  • 黒田官兵衛のエピソードをはじめ、それに関係する人物や戦い(合戦)をご紹介します。

  • 黒田官兵衛のエピソードや、関連のある刀剣・日本刀をご紹介します。

  • 日本号

    日本号など、様々な「名刀」と謳われる刀剣を検索できます。

  • へし切長谷部

    へし切長谷部など、様々な「名刀」と謳われる刀剣を検索できます。

  • 日光一文字

    日光一文字など、様々な「名刀」と謳われる刀剣を検索できます。

  • 旅探では博多祇園山笠をはじめ、日本全国の観光名所を検索できます!

  • 刀剣展示をしている博物館・美術館についてご紹介!

  • 旅探では福岡市博物館をはじめ、日本全国の観光名所を検索できます!

名古屋刀剣博物館「名古屋刀剣ワールド」

名古屋刀剣博物館 名古屋刀剣ワールド」(メーハク)は、愛知県名古屋市中区栄に開館予定の刀剣博物館です。

約200振の刀剣を展示する日本最大級の規模となり、国宝や重要文化財、重要美術品に指定された日本刀を見学することができます。

名古屋刀剣ワールド

名古屋刀剣ワールド

収蔵品には、「織田信長」の末弟「織田有楽斎/織田長益」(おだうらくさい/おだながます)が所用したとされる国宝「短刀 銘 来国光」を展示しています。鎌倉鍛冶の祖とされている「新藤五国光」(しんとうごくにみつ)の作刀した「短刀 銘 国光[新藤五]」や、妖刀村正伝説で有名な「村正」による「槍 銘 村正」など見どころが満載です。

日本刀以外にも、歴史ある甲冑(鎧兜)や書画、浮世絵など。その他にも、1階にミュージアムショップ、2階に和カフェ「有楽」を併設していますので、展示品を見学したあとはゆっくりお買い物や休憩を満喫することもできます。

  • 織田信長のエピソードをはじめ、それに関係する人物や戦い(合戦)をご紹介します。

  • 織田有楽斎(織田長益)のエピソードをはじめ、それに関係する人物や戦い(合戦)をご紹介します。

  • 織田信長のエピソードや、関連のある刀剣・日本刀をご紹介します。

  • 日本刀の歴史に名を残した、数々の名工をご紹介します。

  • 刀工「新藤五国光」の情報と、作刀した刀剣をご紹介します。

  • 名古屋刀剣ワールド
    国宝・重要文化財といった貴重な刀剣のほか、甲冑や浮世絵など歴史的に価値の高い展示物がご覧頂けます。

名刀が観られる博物館・美術館

名刀が観られる博物館・美術館をSNSでシェアする

「刀の基礎知識」の記事を読む


日本刀の書物

日本刀の書物
近年、ゲームや舞台、アニメなどの影響で若い世代が日本刀に魅了されるようになりました。そこで「日本刀鑑賞」と言えば、やはり日本刀を所蔵している美術館や博物館に出向くことを考える場合が多いかもしれません。しかし実物だけが日本刀の資料ではありません。書物として残される日本刀の記録も十分な価値を持っています。日本刀に関する本は、刀身や茎(なかご)を写した「押形」(おしがた)が有名ですが、刀剣についての和歌を収録した本や、試し斬りの実験結果をまとめた本など、たくさんの本が存在するのです。日本刀にまつわる書物と共に、その歴史を追っていきましょう。

日本刀の書物

日本刀の最高傑作

日本刀の最高傑作
古来より日本刀は、その美しさから、武具としてだけでなく、祭神具や贈答品、家宝としても扱われてきました。日本刀の価値は、その切れ味の鋭さや使い勝手の良さなど、武具としての評価以外にも、美しさや技巧などの芸術的な観点、由緒や伝来などの歴史的な側面からも評価されます。「最高傑作」と呼ばれる日本刀にはどのようなものがあるのか、最高傑作と呼ばれ、現在でも名高い日本刀を観ていきましょう。

日本刀の最高傑作

日本刀の歴史

日本刀の歴史
日本刀は、日本独自の製法で制作された、片刃の湾刀のこと。日本刀の刃文や堂々とした姿は観る者に独特の美を感じさせ、現在、美術品としての価値が世界で認められ、多くの人に注目されています。平安時代に武士が勃興したことにより、武具として扱われた日本刀が、現在のような文化的財産としての地位を高めたのはなぜなのか、日本刀の変革の歴史や役割の変化について見ていきましょう。

日本刀の歴史

刀の作り方

刀の作り方
日本刀とは、伝統的な日本独自の製法で作られた刀のこと。日本刀は、古来より専門の刀鍛冶によって作刀され、長い歴史の中でその技術は進化していきました。現在でも作刀技術は伝えられ、新しい刀も生み出されているのです。刀ができるまでの工程を紹介します。

刀の作り方

日本刀のオークション

日本刀のオークション
刀剣に興味を持つと、観ているだけではなく、自身でも持ってみたくなるもの。一方で、刀剣を所持しているけれど、管理に困り、売却やオークションでの出品などを考えている方もいます。その場合、刀剣のオークションはいったいどこで開催しているのだろう、と考える人も少なくないでしょう。そうした方々に向けて、ここでは日本刀のオークションに関する情報について解説。また、オークションについて詳しいお話を聞かせて下さったオークション会社「カーム株式会社」についてご紹介します。

日本刀のオークション

刀の「写し」、「贋作」、「レプリカ」の違い

刀の「写し」、「贋作」、「レプリカ」の違い
刀剣には、「本歌」(本科)と呼ばれる原作刀工による原作刀剣の他に、「写し」、「贋作」、「レプリカ」が存在する場合があります。本歌が優れていればいるほど、「写し」、「贋作」、「レプリカ」が作られるとも言えるのです。「写し」、「贋作」、「レプリカ」とは何なのか。それぞれの違いや作られた目的、メリット(利点)、デメリット(欠点)についてご紹介します。

刀の「写し」、「贋作」、「レプリカ」の違い

日本刀ランキング

日本刀ランキング
刀剣ワールド財団には、太刀をはじめ、打刀、短刀、脇差など、様々な種類の日本刀が、時代を問わず所蔵されています。刀剣ワールド財団が所蔵している日本刀のなかでも、特に人気のある上位15位の日本刀を、ランキング形式で順番に観ていきましょう。

日本刀ランキング

刀の魅力(姿・刃文・地鉄)

刀の魅力(姿・刃文・地鉄)
日本刀は、数ある刀剣類のなかでも最も見た目が美しいと評される刀です。また、漫画やゲームが好きな人であれば、「最強の武器」としての日本刀に大きな魅力を感じ、美術館などに赴いてその刀身(とうしん)を観るだけでもテンションが上がります。そして、日本刀の魅力はそれだけではありません。刀身をじっくり観れば、1振1振の形状が違ったり、その表面に美しい模様が付いていたりすることに気が付きます。人びとが日本刀に魅了される理由とは何か。日本刀の魅力を各部位の特徴と共にご紹介します。

刀の魅力(姿・刃文・地鉄)

剣とは

剣とは
「剣」(けん/つるぎ)とは、刀身(剣身)の両側に刃を備えた、反りのない刀剣の一種です。日本では、広い意味で「日本刀」のひとつに数えられます。両手で柄(つか)を持ち、主に突き刺すことにおいて威力を発揮。刃長は60cm以上と定義され、それより短く、片手で扱えるタイプは「短剣」です。日本でも古くから歴史に登場してきた剣ですが、平安時代中期に片刃で反りのある日本刀が刀剣の主流を占めるようになると、実戦で用いられることはほとんどなくなり、祭祀的な意味を持つ神社仏閣への奉納品として作刀されるようになりました。

剣とは